カリソルブ、ペリソルブ、MTAセメントを使用した保存療法(むし歯の除去、根管治療)
歯を削って詰めるというのが虫歯の一般的な治療法ですが、一般的な治療方法では削れば削るほど、歯は弱くなっていきます。
歯を長持ちさせるためにはできる限りの低侵襲での治療が望ましいと言えます。
当院では、患者様の歯を長持ちさせるための低侵襲治療に力を入れております。
(低侵襲治療のほとんどは自費治療となります)
虫歯になったところを溶かして除去するカリソルブ、歯石歯垢を溶かして取りやすくするぺリソルブ、MTAセメントを使用した保存療法(神経の保存や、歯の根の治療)や、審美治療の技術として開発されたBTAテクニック® のコンセプトを応用した抜歯になる歯への救歯補綴治療 、ヒューマンブリッジと呼ばれる歯をごくわずかにしか削らないブリッジの治療法を採用しております。
カリソルブ治療(虫歯部分を溶かす治療法)
カリソルブとは
カリソルブ治療とは、虫歯になってしまった箇所に、専用の薬剤を塗布して虫歯を溶かす治療法です。
健康な歯の部分を溶かすのではなく、虫歯部分のみを薬剤でやわらかく溶かします。
溶かした虫歯はスプーンのような器具で取り除きます。
使用する薬剤は虫歯になっている部分にしか作用しません。
ですので、虫歯治療では、低侵襲での治療方法と言えます。
従来の削って詰める虫歯治療からすると、最大限、健康な歯を残すことができます。
また、痛みを伴わない虫歯治療です。
カリソルブ治療は厚生労働省に認可された治療法
スウェーデンで1998年に認可され、現在ではヨーロッパをはじめ、世界各国で一般的な治療として普及してきています。
日本では2007年に厚生労働省に認可された治療方法として注目を集めています。
カリソルブ治療で使用される薬剤
「次亜塩素酸ナトリウム」と「アミノ酸」が使わます。
次亜塩素酸ナトリウムは歯科では殺菌のためによく使われるものです。
虫歯の部分に作用して溶かします。
アミノ酸は三種類配合されており、健康な歯質への攻撃的な作用を抑える働きがあります。
適用される虫歯
・C1 歯の表面のエナメル質に穴があいている状態
・C2 歯の内面にある象牙質という組織にまで虫歯が進行した状態
※C3 虫歯が神経まで達している状態では、カリソルブは仕様できません。
カリソルブを使用するメリット
・低侵襲の虫歯治療である
・歯を削る恐怖が少ない
・毒性が無い
治療費用
保険外治療 1歯 10,800円(税込)
※被せ物(クラウン)・詰め物(インレー)を使用する場合は、別途費用がかかります。
ぺリソルブ治療(歯の表面に塗るだけで歯垢・歯石を除去する治療法)
ぺリソルブとは?
ペリソルブは、な虫歯治療法カリソルブを進化させた、歯周治療用薬剤です。
ペリソルブを塗布することで、歯周病の原因である歯垢(プラーク、バイオフィルム)・歯石をやわらかくし、除去することができます。
通常の歯周病治療で歯石を除去する場合、スケーラーで除去するので、痛みや歯茎からの出血が伴うことがありますが、ぺリソルブ治療の場合は、薬剤のみを使用するため、歯肉を傷つけません。
また、 ペリソルブを使った歯周病治療では、口腔内に殺菌を飛び散らせることもないため、治療中のお口の中を清潔に保つことができ、全身の健康維持にもつながります。
有効主成分は低用量の次亜塩素酸塩とアミノ酸で、液は使用目的に合うよう特別配合されています。
ぺリソルブ治療の特徴
健康な組織を損なうことなく歯垢・歯石を除去できる
出血を最小限におさえることができる
使いやすく、患者,衛生士双方に優しい
細菌の増殖を抑制することできる
費用
薬剤代 1回10,800円 で別途、規定の施術料が必要となります。
MTAセメント(神経まで虫歯が達した場合の低侵襲治療)
MTAセメントとは
通常では神経まで虫歯が達していた場合、一般的には神経を取る治療になります(根幹治療)。
しかし、歯の神経を取ってしまうとその歯は弱くなり寿命が短くなります。
そこで、MTAセメントを使うことで、極力、神経を取らずに保護することで虫歯を治療することが可能となります。
虫歯を除去し、神経が露出した場合はMTAセメントで穴の空いた部分を埋めます。
MTAセメントは、組織に適度な刺激を与え、悪くなってしまった部分を再生・保護する作用があります。
神経を既に除去してしまった歯でも、むし歯などで本来開いてないところに穴が開いたり、ひび(抜歯が必要でない場合)が入っている歯などに使用し、炎症の発生を抑えることができる場合もあります。
歯の内部に対して保存のためにしようする薬剤として、有効性が高いと言われています
MTAセメントは認可されている?
MTAセメントとは、1993年に米国で開発され、1998年以降、海外で虫歯や歯科治療によって根の歯質に穴があいた場合などに用いられ実績をあげてきました。 日本では2007年に覆髄材として、薬事認可されました。根管治療に用いるのは保険適応外となります。
MTAセメントの治療費
価格 1歯8,800円(MTA0.5gまで。0.5g毎5500円増し)
MTA使用前後の治療や、被せ物(クラウン)・詰め物(インレー)は、原則として別途自費診療となり費用がかかります。
BTAテクニック®(BTAコンセプト)による救歯補綴治療
BTA=Biological Tissue Adaptation
BTAテクニックとは
BTA テクニック®を施した補綴物を装着された歯の歯肉は補綴物と接合(Adaptation)することにより、炎症を起こさず安定した環境となり結果として、歯肉の炎症や退縮を起こしにくくなると言われています。また、一般的な歯肉のラインを整える手術は必要なく、比較的時間も短く補綴処置を行うことができます。
この特徴を利用し、従来では保存できなかった歯を抜歯せず、しかも健康で安定した歯肉を得た状態で延命させる救歯補綴治療に力を入れております。
深い虫歯や破折した歯で抜歯を勧められた方、BTAコンセプトを利用した補綴治療にて延命を図ることができる場合があります。ご相談ください。
しかし、生物学的安定性などから、材質に制限があり、セラミック素材のみでしか施術することができません。
費用
およそ10万~14万円程度
BTA研究会のホームページ
ヒューマンブリッジ(歯を削る量を最小限に抑えたブリッジ)
ヒューマンブリッジとは
ヒューマンブリッジは、歯を削る量を最小限に抑えつつ固定力にも優れた、新しいブリッジ治療です。
一般的なブリッジは、欠損した歯の両隣の歯を土台とするために、大きく削る必要がありました。
この点、ヒューマンブリッジは土台となる歯の表面に浅い溝やくぼみを作るだけで、固定式のブリッジを作ることが可能です。
窪みにピッタリとはまるアタッチメントを取り付け、アタッチメントに固定式の人工歯を取り付けていきます。
ヒューマンブリッジが使える人は?
4歯までの欠損に対応しますが、実際には条件が厳しく2歯程度までの欠損に有効です。
(前歯では3~4歯欠損でも可能な場合もありますが、臼歯では難しいです)
土台となる歯は、ある程度エナメル質が残っている必要があります。
ヒューマンブリッジの特長
・麻酔は必要ない(麻酔が使えない人でも可能)
・治療が痛くない
・歯にダメージが少ない、最小限の侵襲(歯に浅いくぼみを作る程度)
・従来のブリッジより虫歯になりにくい
・一般的な接着性ブリッジと比べて外れにくい
・インプラントできない人にも対応
ヒューマンブリッジの費用
3歯分 308,000円 1歯追加88,000円(補償5年)