口腔がん検診の開始に向けて。院内研修をしました。

木津川市城山台 西歯科クリニック 院長の西です。

診察時間を一部変更しまして、院内研修を行いました。

新規に導入する、口腔がん検診に使用する機械と、審美補綴物のプレミアム保証システムについて、販売・提供会社の方に来院いただきスタッフ研修を行いました。

プレミアム保証システムは、従来の審美補綴物の院内保証と違い、保証会社に保証料を支払い保証会社が保証をするサービスで、家電製品の延長保証や落下などでも保証をするようなシステムとお考えいただくとわかりやすいかと思います。

ワイドになった保証で従来カバーできないところや、材質や歯の部位、歯の条件などにより院内保証を致しかねる場合でも保証が可能となります。近日中に整備しスタートいたします。

堀ちえみさんがステージ4の舌がんで手術されたことが話題になったことは記憶に新しいと思います。

これまでは視診、触診、必要があればレントゲン撮影・細胞診といった検査は可能でしたが、進行がんは口腔がん治療の経験がある者であれば判断をつけやすいのですが、早期癌に対しては経験者であっても判断が難しく、視診や触診から得られる情報と大学病院口腔外科に長らく所属(総合病院口腔外科の出向を含め14年)し培われたカンのようなものに頼っていました。(それでも、これまでの開業医さんでのアルバイトや勤務していたときに、手術が必要な前癌病変を含めて8人ほど発見しております。一般歯科医が一生に遭遇する口腔がん患者は1~2人程の確率と言われています)  確定できる病理検査もできないわけではないのですが、がんに対して病理検査を行うとその刺激から急激な進行をきたす場合があるので、手術など今後の治療の段取りをある程度決めてから行わないと大変危険です。

このたび、口腔内蛍光観察装置と言われる、特殊な波長の光を照射し、特殊なフィルターを通したカメラで見ることによって、精査が必要かどうかのスクリーニング検査を行う装置を導入することにより、口腔がん検診を始めることにいたしました。

ホームページも作成予定ですが、口腔がん検診をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

口腔がんへの私の思いを綴ります。

私の叔父も舌がんで壮絶な闘病の末亡くしております。「飲まなきゃやってられない」と舌を全て摘出し口からの食事が困難なため、鼻から胃に通したチューブに味もわからない日本酒を入れてお酒を飲んでいた光景は、今も脳裏に焼き付いています。  歯学部を卒業後矯正歯科がしたかった自分が口腔外科に入ったきっかけとなりました。

大学病院の口腔外科に14年在籍しておりました(期間中、総合病院口腔外科への出向もしております)
口腔がんを罹患された方、そしてその後も見てきました。早期発見でいつもの暮らしに戻られた方。12時間以上に渡る手術をしたが、再発された方。抗がん剤や放射線治療の強い副作用で苦しんでおられた方。 QOL(生活の質)の大幅な低下や容貌の変化から、自殺率が高いのが口腔がんの特徴でもあります。見てきた患者さんの中にもおられました。無念でしかありません。

一般の歯科医師ががんに出会う確率は一生に1~2回程度と言われていますが、一般歯科開業医で、口腔外科医として仕事をしていない時に、これまで8人の方の口腔がん・手術が必要な前がん病変を発見しました。(口腔外科で勤務中のできものや腫瘍を主訴に来院された方は除いています)
経過観察の前癌病変と言われる、癌になる前の状態の方はもっとみています。 ガンが見つかったほとんどの方は早期発見で、軽い手術で済んだ方が多かったのは幸いでした。

当地で開業してから、幸い口腔がんはまだ見ておりませんが、何人か口腔がんとは言えないが、前癌病変になっている可能性の方を見ています。前癌病変とは、細胞の異形成が強くなった状態です。がんにはなっていないが、なりかけている状態と思ってください。

開業医で口腔癌(前癌病変)の検査や治療は難しく、病院口腔外科の受診を促すのですが、それを気にされておられない方はなかなか受診していただけません。自分は大丈夫という正常性バイアスも働くのでしょうか。

長年の口腔外科の在籍のおかげか、何かカンのようなものが働き、これまでの発見もそれを信じて病院へ検査依頼をした結果です。

とにかく早期発見、早期治療がガン治療の基本です。ガン以外でも、進行するとQOL(生活の質)が大きく下がる口腔外科疾患も同様ですが、病院を紹介して受診して何もなければそれでいい、何かあったら早期発見で治療の選択肢もあるしも予後もいい。その想いで説明し受診を促すのですが、「大げさだ」とかウザいと思われるのか、その後、ぱったりと受診されなくなる方も多いのです。 どこかでちゃんと見てもらっているのならいいのですが・・・

気になっていない方にどうやったら検査を受けてもらえるのか。経過観察をしていてもどのタイミングで紹介すれば良いのか、ずっと悩んできました。

そして、思い切って、口腔がんのスクリーニング検査を行う特殊な機械を導入することにしました。

確定診断をする機械ではなく、あくまで詳細な検査をしたほうがいいかどうかの判断材料となるスクリーニング検査をする機械ではありますが、詳細な検査の受診を促す一つの材料になればと思います。(スクリーニング検査ですので、ガンかそうではないかの確定診断をする装置ではありません)

正直、投資した金額を回収できるとは思っておりません。そのつもりもありません。がんという病気の怖さを間近で見ていたからこそ、一人でも多くの方をガンから救うことができればという想いからです。
しかし、維持管理や画像診断の依頼などに費用もかかることもあり、無料での実施は難しく、また健康保険の項目にこの検査がないため、どうしても自由診療でいくらか検査費用を頂戴いただかないといけません。

ですが、私が口腔外科に入った理由が口腔癌であり、少しでも口腔癌の患者さんを救いたいという思いから導入しました。

口腔がんかどうか、ご心配のある方、検診を受けてください。2週間経っても治らない、変化のない粘膜変性は注意すべきと言われています。

新しい審美歯科 「BTAテクニックⓇスペシャルセミナー大阪」開催!

 10月27日、中之島の大阪大学中之島センター、佐治敬三メモリアルホールにて、BTAテクニックⓇスペシャルセミナー大阪が開催されました。東京会場に引き続き、院長もBTA研究会理事として、症例の紹介や運営スタッフとして参加しておりました。

 会場は満席となり、新しい審美歯科の概念・テクニックへの興味の高さがうかがわれました。

 東京会場とは一部講師を変更し、BOPTテクニックの鈴木先生から大阪市ご開業の先田寛志先生による保存困難歯へBTAテクニックを使用し保存した救歯症例についての講演に変更し、他の先生方は東京講演と同じ先生での講演です。

 当院でも救歯症例については力を入れており、他院で虫歯や破折で保存困難であると診断された歯に対し、BTAテクニック・BOPTテクニックを利用し延命・保存治療を行い、大変好評を頂いております。 残念ながら、歯周病での保存困難歯には当テクニックは適応外ですが、従来の補綴方法と異なり、積極的に歯肉の形態をコントロールするその特性から、歯周病対策としてアドバンテージのあるテクニックではあります。 (2019年日本歯科審美学会でも院長による審美救歯症例の発表を予定しております)

 今回は、BTAテクニックの症例をご来場いただいた皆様に紹介させていただきました。

BTAテクニックの症例の紹介。隣の鈴木先生によるBOPTテクニックの紹介もお手伝いさせていただきました。

 通常の自費の被せ物であっても、その歯の削り方や被せ物の形態にもBTA・BOPTテクニックの考えを一部取り入れており、保険治療のものにも一部取り入れて、少しでも長持ちすることを願って日々診療を行っております。

 BTAテクニックやBOPTテクニックは、これまでの被せ物と違い、歯ぐきが下がりにくく、歯周病にもその特性から比較的強く、また歯によってバラバラな歯肉のラインを整えたり、内側に引っ込んでいる歯を外に張り出させたり、BOPTテクニックに至っては、下がった歯肉を引き上げることが可能(症例によります。また引き上げ量も限りがあります)で、侵襲のある外科的手術を伴わない術式です。 従来の補綴治療ではできなかったことができたりしますので、お悩みの方はご相談ください。

 
http://shinbishika-bta.cihp2.jp/  BTAテクニック研究会

当院救歯症例の一例。 上顎の一番奥歯で前後方向に割れている。通常なら抜歯ですが、BTAテクニックを使用し抜歯せず、また従来の治療法では保存できたとしてもセルフケアが大変困難だったのですが、特に難しいケアも必要なく良好に維持しています。
BOPTテクニックについて。 BOPTテクニックつきましては、BOPT JAPAN代表の鈴木先生より直接師事し知識・技術を研鑽しております。