木津川市城山台 西歯科クリニックの院長の西です。
ボツリヌストキシン療法は、ボツリヌス菌が作り出す天然のタンパク質であるボツリヌストキシンを筋肉に注射する治療法です。ボツリヌストキシンは、神経の働きを抑制し、筋肉の過剰な緊張を和らげる効果があります。これにより、様々な疾患や症状の改善が期待できます。
これまで、日本顎関節学会は否定も肯定もしないというスタンスであり、同学会の専門医である自分も同じスタンスで当院では行っておりませんでした
近年の美容外科等によりボツリヌストキシン療法はかなり一般的に知られる治療となってきました。これまでは学会としては上記の通りでしたが、先日の顎関節学会でのシンポジウムプログラムなど、顎関節症への適応拡大を働きかけ使用容認の方向に舵をきることになったようです。 顎関節症への造詣が深くない歯科医師による当療法の施術で、事故などの発生の懸念があったこともあるでしょう。
状況の変化もあり、当院でも顎関節症に対するボツリヌストキシン療法について開始しました。顎関節症や食いしばり・歯ぎしりの強い方の治療において、マウスピース療法などを用いても効果が少ない方へなんとか治療法を示すことができないかという想いもあり、当院でも導入を決意しました。 これまでの顎関節症や食いしばりへの治療は対症療法であり、理学療法などセルフケアとマウスピース療法が中心でしたが、効果は限定的なことが多かったためです。
顎関節症に対しての適応は日本で発売されているものにはなく、現在は自由診療においてのみ可能です。また、日本で販売されているものは現在のところ歯科医師への販売はされていないため、基本的に海外のメーカーのものを個人輸入して使用するということになります。 現在、ジストニア治療などで当治療に精通した歯科医師が顎関節症への適応拡大を得る活動をされておられます。
当院では顎関節症(歯ぎしり、食いしばりを含む)に対してのみの使用となります。顎関節症に対する使用でも、注射する部位から小顔効果などが得られる場合がありますがこれはあくまで副次的な効果であり、美容を唯一の目的としての施術は行えません(歯科医師法に抵触する可能性があります)
また、筋電図を計測し、どのくらいの力で筋肉が活動しているかを測定してから施術を行います。
院長は大学口腔外科に所属している時に日本顎関節学会・専門医の認定を受け、特に顎関節症へ経験が豊富であったことから、日本歯科ボツリヌス協会の立ち上げ時から役員として意見を求められ協会の運営にあたっておりますが、同協会のメンバーの研究や臨床統計から、筋電図の結果と補綴装置の破折、歯の破折との相関性などがわかってきており、マウスピース療法やボトックス療法の適否などを判断しております。
(これから学会発表等を控えており、具体的な相関関係などはまだ公表できません)
・使用するボトックス製剤について
製作過程でヒトアルブミンを使用したものの場合は、施術を受けた方は未知のウイルス等に感染している可能性が否定できないため、他者への輸血などは一生できなくなります。またそのような未知の感染症の存在が判明した場合に、施術者とたどることができるように記録をずっと残さないといけません。
当院で使用するボトックスはヒトアルブミン不使用であり、輸血などへの心配はなく施術記録を残す必要もありません。