ダイレクトボンディングによる審美的修復

京都府木津川市城山台 西歯科クリニックの院長 西です。

 ダイレクトボンディング修復と言われる、充填用光硬化型コンポジットレジン(樹脂・プラスチック)による即日修復例です。(以下「CR修復」と書きます)

 普段は、もっと小さいものにはダイレクトボンディングによるCR修復を行っておりますが、窩洞(むし歯などで削った後の穴のこと)が大きくなると、奥歯(特に大臼歯)の場合、噛む力の負担に負けてしまい欠けたり割れたりすり減ったりし、耐久力に難があること。隣の歯があるため、隣接面(隣の歯との間の面)の形態付与や研磨が難しいため、写真のような大きさの大臼歯の窩洞に対して、ダイレクトボンディングによるCR修復はお勧めしておりません。

 今回は、どうしても複数回をかけて治療できない事情があったため、ダイレクトボンディングによる即日CR修復を行いました。

 金属の詰め物から、審美的にもよくなり患者さんには非常に満足いただけました。

 しかし先に申しましたように、強度的に十分な性質を持つものではないため、今後も定期的な観察が必要で、すり減ったり欠けたりなどがあればやり直しやセラミックスへの変更が必要です。ご了承いただいた上で施術しました(通常この大きさになるとさすがにダイレクトボンディングによる修復はお引き受けすることはほとんどありませんが、今回は新型コロナウイルス感染拡大などの特段の事情があるためお引き受けいたしました)

※通常は、大臼歯の場合耐久性に問題のないセラミックスによる修復をお勧めしております。小臼歯(小さい奥歯)の場合はセラミックのほか、形態付与・研磨し易い、型をとって作るタイプのコンポジットレジン修復(ハイブリッドセラミックスインレー)をお勧めしています(自費診療)。  前歯はある程度の審美性が必要であり、歯にかかる力が臼歯ほど大きくないため、健康保険によるCR修復が第一選択となることが多いです(マルチレイヤリング(複数の色の修復材を使用する)のようなシビアな審美性を要求する場合は部位にかかわらず自費診療とさせていただいております)

※小さい窩洞のCR修復は健康保険内で行うことも多いですが、本症例のような、ある程度以上の大きさの窩洞の場合は、当院では健康保険でのダイレクトボンディング修復は承っておりません(自費診療)

BTAテクニックⓇを用いた被せ物(クラウン)について

京都府木津川市城山台 西歯科クリニック の院長 西です。

 

本院開業前より長らく準備しておりましたが、この度BTAテクニックを用いたクラウンを施術できるようになりました。

*BTA(Biological Tissue Adaptation)テクニック とは

東京の赤坂フォーラムデンタルクリニック院長で日本歯科審美学会の理事もつとめておられる、坪田健嗣先生が考案されたテクニックで、単なるクラウンやラミネートベニアで歯の形態・色調を改善するだけでなく、歯肉のラインまでを美しくする最新の審美歯科治療です。歯・歯肉の審美性だけでなく、歯肉の再生力などを高め、歯肉退縮しにくくなる効果もあります。

術前:上顎両側の側切歯が内側に入っています。また、側切歯周囲の歯肉の腫脹も見られます。以前他院にて両側犬歯から犬歯までの6本をラミネートベニアをされたそうですが、色調は明るくなったものの形態の改善はできず、当院に相談にこられました。

術後:BTAテクニックを用いて、e.maxクラウンによる審美補綴を行いました。歯肉のラインも自然な感じとなり、また術前に見られたような歯肉の腫脹もみられません。(抜歯は行っておりません)

上記の症例は最もBTAテクニックを生かせる症例ですが、他にも、前歯部の歯肉のラインが揃っていない場合などに使用できます。クラウン(被せ物)だけでなく、ラミネートベニア(歯の表面を少し削り貼り付ける物)でも施術可能です。

また、このテクニックを応用し、歯肉縁下に達する破折や虫歯をきたした歯や、オーバーブラッシングによる歯肉退縮をきたした歯などにも使用できる場合があり、有効性を確認しています。

治療期間も通常のオールセラミックの補綴の場合とほとんど変りません。

審美歯科の学会でも注目されつつありますが、新しい技術のため、現在BTAテクニックを施術できる医院は全国でも数えるほどしかありません。当院の院長も開発者の坪田先生が主催する勉強会に参加させていただき、当院でも施術できるようになりました。

 

・前歯の歯肉のラインが揃っておらず気になる方

・内側に入っている歯の審美性を補綴的な改善で考えておられる方

・すでにクラウンをしているが、オーバーブラッシングで歯肉退縮がみられる歯

・歯肉深くまで虫歯や破折が進んでおり、なんとか保存はしたが、歯肉に悪影響がでるかもしれないと言われた、もしくは出ている歯

などでお悩みでしたら、BTAテクニックにて改善できる可能性があります。ご相談ください。

 

なお、BTAテクニックは、生体安定性の観点から使用する材料において制限がありセラミック系の補綴物しか使用できません。また、大変手間がかかるテクニックですので、通常の料金に加えてBTA加算料が必要となります。(材質により金額は異なります +1.5~3万円)

また、歯肉の形態までを整えるテクニックとしてイタリア人歯科医師である、Dr.Loiが考案したBOPTテクニックにつきましても、現在導入を検討しております。 一部の歯肉退縮などに使用し、結合組織移植術などを行わず、歯肉の回復と安定を得られる可能性があります。こちらもご相談ください。

 

西歯科クリニック 院長 西  治

 

審美補綴関連のセミナーに参加してきました

木津川市城山台の西歯科クリニック 院長の西です。

日曜日、東京に審美歯科補綴関係のセミナーに参加してきました。

私も参加させていただいているBTA研究会を主催し、日本歯科審美学会理事で理事をされておられる、坪田健嗣先生、古谷彰伸先生のお誘いもあり、イタリアより来日された、Dr.Ignazio LoiのBOPTテクニックという審美歯科補綴に関するセミナーに参加してきました。

補綴物(被せ物、クラウン)における軟組織(歯肉)へのコントロールを主眼としたテクニックについての講演で、BTAテクニックと同様、これまでの補綴学の常識と言われていたこととは異なるアプローチから成功を導いたテクニックについての紹介です。単に綺麗な補綴物を入れるだけでなく、歯肉の形態も美しくということを念頭においたテクニックです。

これまで、私自身が「こうしたほうが、結果上手くいくように思う」と思ってしていたことが間違いではなかったという想いと、さらによりよい結果を得られるべくヒントを頂いてきました。

これまたBTAテクニックと同様、概念を理解した歯科技工士さんの協力が必要であり、今すぐ導入できるというわけではありませんが、応用できるところはすぐにでも取り入れて行きたいと思います。

このテクニックを応用したインプラントの講演も含め、朝9時から18時まで、濃いセミナーでした。

インプラント治療については、無事提供できる体制が整うまでは、当院ではまだ患者さんに対して提供はしないというスタンスであり、現在はインプラント治療は行っておりませんが、CTも設置しており、簡単な相談であれば応じることも可能です。

当院でのインプラント治療ご希望する声が増えましたら、導入の前倒しもしていこうかと考えております。

 

BTA研究会に参加してきました

日曜日、東京にて、坪田式BTAテクニック研究会に参加してきました。

日本で審美歯科を牽引しておられる、坪田健嗣先生(日本歯科審美学会理事)が開発された、審美補綴のテクニックの勉強会です。

(BTAテクニックについて、詳しくはこちらをご覧下さい http://www.forum-dental.com/bta/ )

 

一昨年の高松市で行われた日本歯科審美学会のシンポジウムでの坪田先生の発表を拝見し大きな感銘を受け、すぐに勉強会への参加をお願いいたしまして、以後、勉強会に加えていただいております。

従来では難しかった歯肉のラインをそろえることができるだけでなく、歯周病にも強いという画期的なテクニックです。他にもいろいろな応用テクニックも開発されていっています。

本年の日本歯科審美学会での最優秀発表をBTAテクニック関連の発表が獲得するなど、技術的な評価もされつつあります。

現在、BTAテクニックに対応した歯科技工所が関東以外にはほとんどなく、関西でも広められるよう、関係者のご協力をいただきながら進めてまいる所存です。