歯周病による部分的骨欠損への新しい薬剤について

京都府木津川市城山台 西歯科クリニック の院長 西です。

 

 

歯周病や歯槽膿漏、進行すると歯の周りを支える骨が溶けていきます。こんなふうに

 

腫れたり、痛んだり、動いてきたり。 噛めなくなって、そして最後には抜け落ちてしまいます。

 

基本的に、失われた骨の回復はできません。上の図のように、水平的に、歯の周り全てにわたって骨が失われた場合は、現在、回復させる方法はありません。

 

ですが、部分的に、一部の骨が垂直的に失われた状態の場合は、完全とは言わないまでも、回復させられる可能性があります。

 

これまでも、歯周外科手術として、GT-R法と呼ばれる特殊な膜を粘膜の下に入れて外部からの組織の侵入を抑えて骨を回復させる方法(一部は保険適応)や、骨の回復を促す効果のある薬剤を歯周外科の際に塗布する方法(自費治療で、薬剤が大変高いです)がありました。 しかし、有効ではあるものの術式が難しかったり、効果がでにくかったりと、実際に適応しづらいものでしたが、本年2月より、歯周外科後の骨の回復を促す効果が強い薬剤の使用が、保険で使用できるようになりました。 先に挙げたこれまでの方法よりも、効果が高いと言われています。

 

保険診療にて使用する場合、歯周外科(フラップ手術)を行う際に1度のみ使用できます。

ただし、歯周外科を行うには、歯周初期治療を何度か行った後でないとできないため、適応症であるからと言ってもすぐに使用できるものではなく、ややハードルが高いものとなっています。

また、ガンの既往のある方には使用が不可もしくは慎重に使用となります。

 

全ての方、症例に使用できるわけではありませんが、ご相談いただければ使用可能かどうかなどご検討させていただきます。